1年後の死亡率は?働けなくなる確率は? 知っておくべき「確率」の考え方


普段、確率(%)という言葉を耳にする機会は多いと思います。
知っておくと得する、確率の身近な事例や、確率だけで語れない人間の本質に迫っていきます。

身近にあふれている「確率」

確率・・・ある事象が起こる確からしさの度合い。また、それを示す数値。

私たちの生活には、”確率”に関係する出来事が溢れています。

Q.友人とのじゃんけんに勝つ確率は?
A.約33%

Q.宝くじ(年末ジャンボの1等)が当たる確率は?
※100本購入した場合
A.約0.0005%

Q.電車(2017年度の千代田線)が遅延する確率は?
※遅延証明証が発行された日/1か月
A.約95%

「死」の確率

平均寿命80歳越えの一方、
40歳男性の約0.1%が翌年までに死亡する現実

日本人の平均寿命は、男性が約82歳、女性が約88歳(いずれも令和2年)となっており、年々過去最長を更新しています。

人生100年時代ともいわれる通り、人生をマラソンに例えると、40歳の方でもまだ折り返し手前の段階といえます。

普段の生活では、死について考える機会は少ないですが、
例えば、男性40歳の死亡率は、厚生労働省の「簡易生命表」(令和2年)によると0.093で、1年間に1,000人あたり、約0.92人(女性40歳では0.58人)となっています。
確率としては、約0.1%で翌年には死亡している計算です。

簡易生命表とは?
日本にいる日本人について、1年間の死亡状況が今後変化しないと仮定したときに、各年齢の人が1年以内に死亡する確率や、平均してあと何年生きられるかという期待値などを、死亡率や平均余命などの指標によって表したもの。
人口や死亡数、出生数をもとに、厚生労働省によって毎年作成されている。

働けなくなる確率は、死亡の3倍から6倍!?

より現実的に起こり得るのが、病気やけがなどで働けなくなるリスクです。
40~44歳の傷病手当金の受給割合は、健康保険組合の被保険者1,000人あたり、約3.61人となっています。
確率としては、約0.4%の方が傷病手当金を受給している計算です。

実際には、傷病手当金を受給せずに、仕事ができていない方もいますので、さらに高い確率で働けない状態になるというのが今の日本の現実です。

公的保険だけでは十分とは言い切れないため、働けなくなるリスクを考えて、就業不能保険に加入したり、家族などと”もしもの場合”に備え、貯蓄や投資などお金周りの認識を共にしておくことも重要です。

傷病手当金とは?
病気休業中に被保険者とその家族の生活を保障するために設けられた制度。
病気やけがのために会社を休み、事業主から十分な報酬が受けられない場合に支給される。

人間は、”非合理的”である

プロスペクト理論とは

そもそも、私たちが日々下す意思決定は必ずしも合理的なものばかりではありません。
過去の経験や直感、その時々の気分によって、判断が変わってしまいがちです。

ある日・・・
とても暑いため、コンビニにアイスを買いに行くとします。
コンビニには数十種類のアイスが置かれています。
普段は商品Aを購入しているけど、なんとなく商品Bに目がいって・・・

そんなことありませんか?

あとから、「なぜこんな選択をしてしまったんだ…」と後悔することはありませんか?
行動経済学という学問では、人間の非合理性を科学的に分析しています。

その中でも、プロスペクト理論が有名です。

プロスペクト理論とは?
行動経済学者のダニエル・カーネマン氏とエイモス・トベルスキー氏が、1979年に提唱した学説。プロスペクト(prospect)とは、英語で「期待」や「予想」という意味。予想される利害額や確率などの条件によって、人間がどのように意思決定を行なうのかをモデル化した。

人は、得するより「損することが嫌い」

あなたはある時、友人からこんな言葉をかけられました。

「50%の確率で100万円が当たるクジがある。ただし、50%の確率でハズレになる。
ハズレを引いた場合、30万円支払う必要がある」

あなたは、このくじに挑戦しますか?

結論として、経済的には“得”なくじです。

というのも、50%の確率で100万円もらえるということは、50万円の価値があり、外れた場合に支払う30万円より多いからです。
しかし、多くの人はこのくじに挑戦する「合理的」判断をしません。それは、くじで「30万円失う恐怖」が「50%で100万円手に入る」より勝ると感じるからです。

まとめ

今回は、確率というテーマから始まり、そもそも人間には非合理的な側面があることについてみていきました。

私たちの生活のあちこちには、確率が紛れ込んでいます。
ただし、確率を踏まえた合理性だけでは語れない人間の面白さもあります。

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