欧州のバルト海に面した3つの国。
学生の頃、なんとなく開いたページにそこまで大きく、細かくは記載されていなかったバルト三国、、、。
当時はただテストに答えるために文字だけ見ていましたが、いざ掘り下げると様々な姿が見えました。
バルト三国は、北から、エストニア、リトアニア、ラトビアの順に並んでいて、この三国は長い間占領されてきました。
ソ連崩壊をきっかけに、1990年~1991年の間に独立。
この三国はひとくくりにされていますが、民族、言語、宗教などそれぞれ違いがありました。
この記事では以下のことが分かります。
- バルト三国の各国の説明
- バルト三国の覚え方
それぞれ見ていきましょう。
もくじ
エストニア共和国🇪🇪
エストニアの国土は45,226k㎡で、これは日本の約1/9の大きさです。
人口は1,326,000人です。
主な民族はウラル語族で、言語はエストニア語が公用語となっています。
国旗は上から青、黒、白の3色が並んだデザインで、各色にはそれぞれの意味があります。
青は空・海・湖と信頼、忠実を、黒はエストニア共和国の農夫の伝統的な黒いジャケットを表していて、外国に支配された暗い過去を象徴しています。
白は真夜中の太陽によって照らされるカバ樹皮や雪の色と白夜を表し、啓発と美徳への努力を象徴しているそうです。
エストニア共和国は「世界で一番空気がきれいな国」に選ばれ、その豊かな空気の中で行う養蜂が盛んです。
お土産屋さんなどにエストニア産の化学物質や抗生物質の入っていない非加熱・無添加のはちみつが多く並んでいるそうです。
また、エストニア共和国はバスケットボールが盛んなほか、大相撲の芭瑠都関の出身国だそうです。
ラトビア共和国🇱🇻
ラトビアの国土は64,589k㎡で、日本の約1/6の大きさです。
人口は1,886,000人です。
先住民としてフィン・ウゴル系民族のリーヴ人が居住していたため、リヴォニアと呼ばれていました。ですが、13世紀にドイツ騎士団のリヴォニア帯剣騎士団によって征服されました。
この時の征服が常軌を逸していたため民族がほとんど浄化されてしまい、中世以来政治的支配をしてきたのは少数民族のバルト・ドイツ人になりました。
国旗はチョコレート色に白が挟まれたデザインです。このチョコレート色は民族の独立のために流された血を、白は栄誉と信頼を表すそうです。
景観がよく首都のリガの街並みは世界文化遺産に登録される程です。
同じく登録されているリガ中央市場で市民の台所を体感しても良いですし、少し移動してユーゲントシュティールの建築物を見たり、19世紀末~20世紀初頭の芸術運動を楽しむのもいいでしょう。
ハリーポッターの街並みに似ていて、その美しさから「バルト海の真珠」と呼ばれています。
リトアニア共和国🇱🇹
リトアニアの国土は65,300k㎡で、日本の約1/6の大きさになります。
人口は2,722,000人です。
民族はバルト民族が大多数を占めています。
国旗は黄色、緑、赤の3色が重なったデザインとなります。
黄色は太陽と繁栄を、緑は森林と希望を、赤は台地と国を守るために流された血と犠牲を表します。
世界で1番に選ばれるほど、コーヒーをよく飲む国です。
しかし日本にあるようなスターバックスなどの世界的規模のチェーン店はなく、展開されているのはバルト三国内で展開されている規模のチェーン店とのことです。
なお一人年間400杯はコーヒーを飲むといわれているリトアニア共和国の人々ですが、そのほとんどはホットコーヒーを飲むそうです。ヨーロッパでも涼しい位置にあるからかもしれません。
また日本とも縁があって、「命のビザ」を発行した杉原千畝さんが外交官として就任していたのがここリトアニア共和国だったのです。
200万人の「人間の鎖」と「歌う革命」
バルト三国は1940年にソ連に併合され、多くの移民も流入し民族構成は大きく変化しました。
すると次第に文化も多様化していったため、もともと住んでいた民族の文化を守ろうとバルト三国内で運動が始まったのです。
この運動が1980年代後半の独立運動の後押しとなりました。
1989年、エストニアの首都タリンからラトビアの首都リガを通り、リトアニアの首都ビリニュスまでの約600kmを、200万人を超える人々が集まって手を取り合い、「人間の鎖」をつないだのです。この時、歌を歌うことで独立を訴え、1991年に独立を成し遂げました。
このとき人間の鎖を作り、独立を歌で訴えたことから「歌う革命」と語り継がれています。
のちにこの三国は、NATO、EUおよびOECDに加盟し、各国バラバラだった通貨もユーロに統一して、ヨーロッパの国家間において国境検査なしでの国境越えを許可されるシェンゲン協定加盟国となりました。
バルト三国の覚え方
最後に、バルト三国の覚え方を紹介します。
簡単な語呂合わせとして、エストニア、ラトビア、リトアニアのさらに北にあるフィンランドも交えて、フェラーリと覚えると覚えやすいです。
北にあるフィンランドもあわせて、フェラーリと覚える。
→フ(ィンランド)ェ(ストニア)ラ(トビア)ーリ(トアニア)